『 六月に明けた梅雨に 』

 

後ろ背
 
 
雨音きつく
風音押さえ
 
雨音きつく
この身を押さえ
 
素知らぬ顔で
ただまた
逃げて
去って行く
 
雨音きつく
雨音きつく
この身を縛る
 
この身を解 ほど
術は何処に
 
 
 
 
   
   

陽光に溺れて

 
 
梅雨の最中
夏至の直中
 
ふと訪れた
真夏の日
 
 
久しぶりに
浴びる
その陽光に
 
久しぶりに
出会う
この身の影に
 
 
思わず
身体が反応して
思わず
心も付き合って
 
 
 
梅雨の最中
夏至の直中
 
ふと訪れた
真夏の日
 
ふと訪れた
そんな
機会
 
 
 
今は
ただ
そんな
瞬間に
 
浸ってみるのも
溺れて沈むのも
 
それはそれで
それはそれこそと
 
 
久しぶりに
浴びる
その陽光に
 
久しぶりに
出会う
この身の影に
 
 
 
 

月の半欠け
 
 
まっ
いずれにせよ
いずれにせよ
 
沈みかけてる
月の半分は
笑っているのは
大笑いしてるのは
紛う事なき
大事実
 
一方の
月の半分は
と言えば
さして言えば
苦笑いかな
 
まっ
いずれにせよ
いずれにせよ
 
去りゆく月に
笑われながら
迎えて送る
そんな夜
 
 
 
 
   
   

今の内に

 
 
いつの間にやら
落ちて寝る
その前に
 
気付かぬ内に
眠って悔やむ
その前に
 
ただ
ただ
意識ある
今の間に
 
すべてを
破棄して
放棄して
 
とっとと
寝てしまうも
これまた一興
贅の極み
 
 
 
・・・ってな
ワケで
んな
ワケで
 
 
今は
とっとと
落ちましょうぞ
 
 
明日が
訪れる前に
迎えに来る前に
 
今はねっ
 
 
そう
そう
そう
 
 
今の内にねっ
 
 
 
 
   
 
 
 
 
 
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